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夕暮れの哀愁

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若い頃から夕暮れが嫌いだった。
山の麓にある生家は夕暮れが早い時刻に来たので尚更だった。

そんな私の願いが叶えられて日当たりの良い市街地に転居したのは25年前の平成元年……。

引っ越ししたころには子供二人は家にはいなかったが、その他に一緒に来たものは、私の母と呆けた叔母、「きりこ」という名前の犬、「プヤ」という白い猫だった。

母は80歳になっていたがまだかくしゃくとしていた。
母は職場を去ってまだ数年しか経っていなかったので、沢山の知人とのつながりがありわがやはそのお蔭で賑わっていた。

街中に位置する家には広い庭があり、日当たりもよくて生家とは打って変わって明るい屋敷だ。

夏場にはかなりの時刻まで日が当たるので、私は夕暮れを寂しく思うこともなくなっていた。


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10年前に母が亡くなり、14年前に主が退職の一年前に病気になってからは、人の出入りと言えば私の友人がちらほら来るぐらいになっていた。

それでも私は自宅に友人達を集めてコーラスや読書のグループを作り、結構楽しい暮らしをしていた。

主も私の友人らに声を掛けてもらうことができてうれしそうだった。



最近は夕暮れを私ひとりが迎えている。

テレサテンの2時間スペシャル番組を聴いていた。

その歌の一つに、

*一緒に町を歩けないけれど……*という愛人を仄めかす歌詞があった。

主がいなくなって、これからは一緒に町を歩くにも同性しかいけないんだ、と思ったらなんだかさびしい気がした。

その代わりに孫がこちらに来ているときには、手をつないで歩く。

そのときには小さな手をつないで私の気持は少し自慢げだ。

夏には夕方もトラジーの散歩をしていたが、寒くなってからは昼前に一度だけ散歩する。



市民広場の黄葉した高い木も葉っぱが少なくなった。

暗い外を見なくていいように早々とカーテンを引き、暖房を入れる。

夜になったら誰かが電話をくれるかもしれない。

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