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折々の記

archive: 2014年02月  1/3

夢子の居場所

「時空モノガタリ」のコンテストテーマ『勇気』に投稿した作品です。(文字制限2000文字)「このあいだのことなんだけどね」沙織は思い出したように唐突に言い、更に続けた。「あのとき明ちゃんが言ったじゃない?独りっ子は人間じゃないって。私、そういうこと平気で言う者のほうがおかしいと思うのよ」「そうねぇ。彼女は自分の旦那さんのことを言ったつもりだって後から慌ててフォローしてたみたいだけど」 夢子は沙織の言葉に...

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春の宵

http://www.flickr.com/Yu*Ri's photostreamこの間まで部屋から外に出ると寒くて閉じこもりがちだった。犬の散歩も温かい時間帯を選んでほんの30分ぐらいで急いで帰り、ストーブを入れた温かい部屋でたいして動きもせず過ごしていた。このところ急に温かくなって、今日は午後六時になっても暗くならずいかにも春の宵のような心地よい感じだった。で、トラがやたら大きな声で泣くので、初めて午後の二回目の散歩をした。街の中の舗...

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春の山

昼下がりに犬を連れて散歩をする。前方に見上げる山々は七重とも八重とも見えて、一番高い頂にはまだ残雪がある。濃い緑の中に萌えるような黄味を帯びた箇所がいくつかあるが、それは竹やぶ。「二月竹秋麦裸(二月たけあきむぎはだか)」という言葉をよく聞かされたものだ。その度に忘れて意味を尋ねたものだが、「竹秋」というのは、この時期竹が黄緑色に萌えてまるで秋のようだという意味らしい。「麦裸」は麦が育つ五月頃は裸に...

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谷間の花

携帯撮影小高い山の公園からすこし下りると谷間がある予定通りやはり今年も咲いていたまひるまの光が何パーセントか薄まってまだ固い蕾をつけた桜の木々のその中央にはまるで竜宮城のように華やかな紅と白の梅の花が爛漫と咲いているほとんど人を見ないしんとした空間でひとり花見を味わう醍醐味待ち侘びて毎年来るこの場所花見をしながら途中で買ったおにぎり弁当をたべたゆっくり流れる時間を急かす何者もいないわけだしおしゃべ...

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きかんぼう

http://www.flickr.com/photos/cubagallery/願ってもいないことをまた口にする負の思考だねと貴方が笑って言うそういう貴方が大好きでそんな悪戯を何度も繰り返す言葉にしたことはほんとうになると貴方が言ったからそんなわるい癖止めたらいいのにと自分に言い聞かせてもいじわるできかん坊なもうひとりの自分がそう言わせてるんだ...

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