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折々の記

category: 散文詩  1/10

時を刻む

群青10月の課題漢字一文字【山】をテーマに書いた作品遠い山並みを仰ぎながら車の助手席に座っているあれは何て名前なの高い山だねぇ…どの山も名前がついてるのかしらそりゃぁそうだよなどと思いついた会話をしてこの空間にいるふたりの幸せを確認しているめくるめく思いで走りつづけたこの幾歳月何年ぶりだろうこうして無の境地で景色が眺められるのは…今この時を大したことと感じないのは自分のいつもの癖。でも必ず懐かしみ涙...

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たゆたう

群青6月の課題漢字一文字【水】をテーマに書いた作品睦みしときは過ぎ去れどその残像は消えることなく畳んだ心の襞をなぞりながら彼方へと向かおうとしている私の心が曇った日そしてきみが慟哭した日どんな日もふたりして乗り越えられたそして笑い合えるときが来たねいままた時は残酷赤い糸は千切れても脈々と流れる血潮は命の水中をたゆたいふたつの魂は溶けてひとつになる...

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こころの嵐

群青4月の課題漢字一文字【嵐】をテーマに書いた作品冬の風がゆるみ春のそよ風に移っても揺らぐこころの嵐は冷たいままの冬を引きずっている そして万物の晴れやかな移ろいに ブルーなヴェールをかける ふたりが育んだ愛の貯蓄が運命の悪戯により ゼロに変わるとき為すすべが見つからない花たちは自らの花びらを一枚ずつ失いながら悲しむ人をひしと抱きしめる花の香はものいわぬこゑで あなたに語りかけているのに赤い花も白い花...

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春愁

群青3月の課題漢字一文字【春】をテーマに書いた作品ながいながい冬だった寒暖を識別できないほどに暖のないながい冬せめてもの一つの灯りを身を削って点せたのは一年三百六十五日の何分のいちほんの一瞬芽吹いた金茶色の若葉とぬるい微風が私に囁くはやく心の扉を開けなさいここに春が待ってるよ春を感じ掌に乗せてみる春に向かって微笑んでみるわたしと一心同体の春なの去りゆく冬と迎える春の狭間...

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縺れ合う弱い糸

けっしてそういうことが上昇志向ではないと思うのだけど仕方なくやり場がなくそういうことになったというわけそこにいるふたりはどちらも自分ではどうにもならないことを抱えて悲痛な思いをしていたどちらかが元気なときには殊勝なことを言って慰め一方は瞬時やすらぐでもこういうことは初めてだったけど元気がないとメールすれば自分も元気がないと傘マークの返信がきたお互いもたれ合ってもどうしようもないのにどちらも何かにも...

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