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折々の記

category: 小説  1/3

平成まで生きた女医の生涯・9(最終章)

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26章 美有と玲孫の美有と玲は20代も半ばになった。ミチは元気なとき、圭介にいつも言っていた。「今でも目に浮かぶよ...あの子らが小さい時パタパタパタと足音を立てて、わたしの部屋に駆け込んで来てたのをね~」ミチは小さい孫に向かってよく言ったものだ。「お父さんを頼むよ」       孫達が大学へ入ってからは、ミチは年に数回しか顔を見ることができなかったが、夏と冬の休みには会いに帰ってくれた。それも束の...

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平成まで生きた女医の生涯・8

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23章 晩年ミチは圭介が留学を終えてドイツから帰るのを楽しみにして暮らしていた。二年後啓介は帰国して、母校の大学で教鞭をとることになった。この先ずっと大学で研鑽を積み不動の地位を積み上げていくことになったのである。圭介が結婚し孫が生まれた頃には、ミチは70代になり仕事を退いていた。圭介の結婚相手は大学時代に知り合った音楽大学出身の女性で、ミチの若い頃の面影によく似ていたこともあって、好意を持ち付き...

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平成まで生きた女医の生涯・7

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19章 圭介の進路圭介は中学校を卒業後、町の進学校へ入学し、自転車で30分かけて通学した。高校では能力別のクラスが編成され、そのトップクラスの中で級友達と切磋琢磨しながら勉学に熱中した。学校から帰ると少しの時間、ギターを弾いてくつろぎ、母が勤めから帰って夕食を終えると、夜更けまで机に向かった。高校二年になり、そろそろ進路を決めるよう担任に言われた。圭介はかねがね、この生き辛い人生を『人は何故生きて...

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平成まで生きた女医の生涯・6

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17章 ミチの不安そのころミチは将来のことをあれこれ思い巡らせながらも今の状況を変える決心が付かず、ぽつぽつとしか来ない患者を待って鉄輪で過ごしていた。実家に帰ろうか、このまま鉄輪にいて頑張ろうか...散々思案した挙句、ミチは実家に帰って圭介と花江と3人で暮らす意志を固めた。ミチは圭介にそのことを手紙に書いた。お母さんが帰って来る!圭介は母が帰ることを知るとうれしくて仕方がなかった。とはいうものの、...

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平成まで生きた女医の生涯・5

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14章 再び田舎へミチは体調が悪い状態での長距離通勤と子育てに疲れ果てていた。色々思い悩んだ末、圭介が五年生の一学期が終わろうとしていた時、ミチは圭介に言った。「圭ちゃん、二学期から田舎のばあばとこへ帰ろうよ」突然の母の言葉に圭介はかなりのショックを隠せなかった。それほどに圭介は今のミチとの暮らしに幸せを感じていた。五年生になってクラスが変わると、男の先生はミチにとても優しかった。友達も沢山できて...

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